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天然石に限らず素材に付着する汚れの性質は様々です。
汚れに応じた洗剤を使用しなければ効果は得られません。
中でもシミ汚れは単純に表面に付着している汚れではないので厄介です。
そこで今回は内部に浸透した汚れの種類とそれに応じた作業方法及び洗剤の紹介をしたいと思います。
シミ汚れの種類
それぞれ酸性やアルカリ性またはカビなどいくつかの性質に分かれますが、シミ汚れの代表的なものは次の通りとなります。
- ジュース・コービー・ワイン・醤油などによる汚れ及びシミ。
- 油によるシミ。
- カビによるシミ。
- もらいサビ。
飲み物などによるシミの洗浄法
<洗浄前>
シミ汚れとは素材内部に浸透した汚れで、表面についているわけではないので除去が難しい汚れとなります。
ただ洗剤をかけて拭けば落とせるというもではありません。
石材には細孔と呼ばれる細かい空洞が内部に存在しており、それにより毛細管現象が起こります。
簡単に言うと内部の汚れが表面に上がってくるということです。
これを利用して洗浄を行います。
染み抜きには湿布法と呼ばれる施工方法が一番有効です。方法は次の通りとなります。
- 染み抜き用洗剤を塗布。
- 上からキッチンペーパーを被せ、洗剤を再度塗る。
- ラップして乾かないようにする。
- 1時間後、様子を見る。
一度の洗浄で落ちない場合は上記の方法を繰り返します。
この染み抜きの方法は他の汚れに対しても同じやり方になります。
<洗浄後>
油によるシミの洗浄法
油によるシミはジュースやワインなどの水溶性によるシミとは性質が違います。
したがって使用する洗剤も変わります。
施工方法は飲み物による染み抜きで紹介した湿布法と同じとなります。
カビの染み抜き
カビに有効なのは次亜塩素酸ですので、その成分が配合された洗剤を使用します。
塩素系漂白剤の方が酸素系漂白剤よりも攻撃力が高いです。
ですのでデリケートな石材に使用する際はできるだけ薄く希釈して使います。
当然、一度では汚れが落ちないと思われるので何度も繰り返し施工します。
カビ取り剤だけでは落ちない場合、水溶性染み抜き剤のMIYAKI アクロンAB を使用すると有効の場合もあります。
もらいサビの落とし方
ステンレスなどの金属が使われている製品を置いておくと、サビが石材表面に移ってしまうことがあります。
表面に付いたサビであれば擦り洗いすることで落ちる場合がありますが、他のシミ汚れと同様に内部に入ってしまった場合はそういうわけにはいきません。
酸化してできたサビに対して還元作用を働かせる上記の洗剤が有効です。
サビに対して塗布すると紫色に変色します。反応している証拠です。
まれに変色した紫色が内部に停滞して取れないということが起こりますが、その際はMIYAKI アクロンAB を使い除去しましょう。
おわりに
各シミ汚れに対する洗浄方法と対応洗剤を記載しましたが、次のことも作業には重要なことになります。
- 汚れと素材の種類を見極める。
- 洗剤を汚れに応じて希釈する。
- 目立たないところでテスト施工を行う。
- 熱湯を使用する。
また、シミが付いている部分をあらかじめ工業用ドライヤーなどで温めると高い効果が得られます。
参考になれば幸いです。