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今回もまたカーペットのクリーニング。対象となる汚れは油汚れです。
いつも掃除の対象となっているのは主に、土砂汚れやコーヒーをこぼしたなどの水溶性の汚れ。
油汚れと言えば住宅に敷き詰められたカーペットに付着した皮脂汚れが主です。
しかし今回はラー油をこぼしたことによる油汚れです。
目次
カーペット(絨毯)の油汚れをキレイに落とす。アルカリ性の繊維用洗剤を使用。
写真はラー油がこぼれたカーペットです。
そして油汚れは酸性の性質を持つ汚れです。
したがって、逆の性質となるアルカリ性の洗浄剤が有効です。
理由は二つあり、まずアルカリ性洗剤は酸性の汚れに対して中和作用が働きます。
次に動植物系の油汚れはタンパク質でもあるので、アルカリ性の洗剤は有効な洗浄剤となります。
なぜタンパク質にアルカリ性洗剤が有効かというと、理由は次の通りです。
タンパク質というのは言い換えればアミノ酸の集合体です。
アルカリはアミノ酸の結合を切る作用があるのです。
洗濯用の繊維用洗剤の他に、油汚れを落とす食器用洗剤やアルカリ電解水なども有効な洗浄剤となります。
洗剤選びの注意点
洗剤を使う際に注意する点がいくつかあります。
まず、当たり前ですが強アルカリ性洗剤などの強すぎる洗剤はNGです。
カーペットのような繊維製品にそのような強力なものを使うと、汚れは落とせても素材自体がダメになってしまいます。
そのため、専用洗剤や余計な助剤が入っていないアルカリ電解水などを使う必要があります。
次にカーペットを構成している素材が何かによっても使う洗剤を選定する必要があります。
具体的に言うとウールカーペットの場合は、注意が必要です。
ウールとはラクダやラマ、羊などの毛で作られる物です。
つまり動物性繊維ですからタンパク質で構成されています。
先程言ったようにタンパク質はアルカリに弱いです。
そのため、ウールカーペットを洗浄する際はph8以下の中性に近い洗剤を使用する必要があります。
ウールと化繊の見分け方
ではどうやってウールカーペットとナイロンなどで構成される化繊のカーペットを見分けるのか。
その方法は簡単です。
まずパイルの端を少しだけハサミで切ります。
切れ端をピンセットなどで摘み、アルミ製の皿などの上でライターで火をつけて燃やします。
燃やした際にグズグズに燃え尽きるのがウール。
固まってしまうのが化繊です。
またウールは燃やした際に髪の毛が焼けたときに発する臭いがします。
以上のことから、化学繊維とウールのカーペットは簡単に見分けることができます。
また、ウールカーペットはパイルの毛先がそれぞれ不特定の方向を向く性質があるため、わざわざ検査確認しなくても見ればわかるということも多々あります。
カーペット(絨毯)クリーニング
カーペットクリーニングの作業手順は次の通りです。
- アップライト掃除機による除塵。
- 蓄圧式噴霧器による洗剤の散布。
- 床用ポリッシャーによるブラッシング作業。
- カーペットリンサーによる濯ぎ洗浄。
- 除菌・消臭剤の噴霧。
- 目立てブラシによるカーペットパイルの目立て作業。
アップライト掃除機はカーペット専用の掃除機です。
縦型のバキュームクリーナーで、取り付けられているブラシが回転してカーペットのパイルの中に潜り込んだ埃やゴミなどを掻き出して吸い込んでくれます。
カーペットの汚れの多くはこの奥に入り込んだゴミなので、アップライト掃除機は必須な道具となり、これによるバキューム作業は非常に重要な要素となります。
また、床用ポリッシャーでブラッシングする際は、これもカーペットの素材や種類によってブラシを選定する必要があります。
ウール製品やパイルの長いカーペットにナイロン系のブラシを使うと痛めてしまう可能性があるため、布製パッドを使ったりします。
リンサーによる濯ぎ洗浄はカーペットクリーニングにおける要であり、弱酸性のリンス剤を希釈したリンス液を噴射しながらしっかり汚れと洗剤分を吸い取ります。
最終的な目立て作業はパイルの長いカーペットには特に重要な作業で、見た目をキレイに見せると共に毛を立たせて流れを1方向にすることにより、乾燥を早める効果があります。
以上がクリーニングの全体的な内容です。
今回のクリーニングについて
今回のクリーニング対象となるカーペットは化繊だったので、気にせずアルカリ性洗剤を使用して洗浄できました。
そのため、2度の洗浄でキレイに汚れを除去できました。
もともとあったラー油による汚れは跡形もなくありません。
明らかな油汚れの場合は中性洗剤ではなかなか効きません。
染み抜きの要領でつけ置きするか繰り返し洗浄するかとなるので作業内容としては大変となります。
つまり、ウールカーペットなどに汚れが付着した場合、汚れを除去する難易度が上がる場合があります。
まとめ
油汚れを除去するにはアルカリ性洗剤が有効となります。
理由は下記の通り。
- 油汚れは酸性の性質であるため、アルカリ性の洗剤を使用することにより中和作用が働く。
- 動植物系の油汚れはタンパク質であり、アルカリ性はタンパク質に対して有効。
カーペット専用洗剤でなくても、食器用洗剤や洗濯洗剤も有効で、除菌効果などがあるアルカリ電解水も効果的となります。
しかし注意点として、ウールカーペットの場合は強アルカリに弱いので中性または中性に近い洗剤を使用しましょう。
理由は前述の通り、ウールは動物繊維、つまりタンパク質で構成されているのでアルカリ性に弱いためです。
ウールか化学繊維かは見れば大体わかります。
わからない場合はパイルの先端を切って、アルミ製の皿の上などで燃やせばわかります。
特徴は次の通り。
- ぐずぐずに燃え尽きる。
- 髪の毛が焼けたような臭いがする。
このようにわかりやすい特徴から、ウールか化学繊維かを見分けて使う洗剤を選定します。