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埼玉県の某スナックのカーペットクリーニングのご依頼。

これから開店するにあたり、張り替えかクリーニングかでお客様は迷ったようですが、予算の都合上クリーニングで済ませるとのこと。

そこで当店にご依頼いただいた次第です。

今回のカーペットはタイル状ではなく、長尺もの。

スナックなどではよく見る赤色の絨毯です。

ウェットクリーニング

今回のカーペットはかなりの汚れでした。

以前お店をやっていた方は一度もクリーニングをしたことがなかったらしく、所々黒くなっている状態。

クリーニングでどの程度落ちるのか、お客様も不安がっており、できる限りキレイにしてくれとのこと。

カーペットクリーニングにはいくつか方法があり、大きく分けてドライクリーニングとウェットクリーニングがあります。

ウェットクリーニングは文字通り、カーペットを濡らして洗浄する方法で、施工方法は下記の通り。

  1. アップライト掃除機での除塵。
  2. シャンプー剤(前処理剤)の噴霧。
  3. ポリッシャーによる攪拌・ブラッシング。
  4. リンサーバキュームで濯ぎ洗浄。
  5. ヤーンパッドで汚れを吸着。
  6. 整毛ブラシでパイルを整える。

今回は床下に配線が走っているようなOAフロアではないため、ウェット方式でクリーニングしました。

というより、これはウェットでないとキレイにはならない状況です。

アップライト掃除機での除塵

アップライト掃除機というのはカーペット専用の縦型のバキュームのことです。

回転するブラシが絨毯のパイルの奥のゴミをかき出し、吸い上げてくれる優れものです。

カーペットの汚れのほとんどはパイルの中に入り込んだゴミです。

ですからこの工程はカーペットクリーニングの中でも最も重要な作業とも言えます。

しかしアップライト掃除機は比較的高価な掃除機のため、清掃業者やビルなどの管理会社でないと所持していないものです。

しっかりと満遍なく丁寧に掃除機をかけ、カーペット内部に潜む埃、ゴミを取り除きます。

シャンプー剤の噴霧

シャンプー剤(前処理剤とも言う)を適正な倍率でお湯で希釈し、噴霧器でカーペットに噴霧していきます。

今回の洗浄対象であるカーペットはウールではなく化繊なので、通常のカーペット用アルカリ性洗剤を使いました。

ウールの場合は強いアルカリ性では傷んでしまうため、中性のシャンプー剤を使います。

ですから、カーペットクリーニングをする前にウールなのか化繊なのか調べます(ウールは特徴があるので見ればわかる場合も多々あります)。

ポリッシャーによるブラッシング(攪拌)

床洗浄機であるポリッシャーにブラシを取り付け、カーペットを洗っていきます。

タンクに先程のシャンプー剤を希釈したものを入れ、オーバーウェットにならないよう注意しながら少しずつ出しながら洗浄。

今回は毛足の長いパイルだったため、通常のナイロンブラシではなく、マイクロファイバーにポリプロピレンブラシが取り付けられたパッドを使いました。

これを回すことで汚れと事前に撒いたシャンプー剤の反応を促します。これを攪拌と言います。

また、マイクロファイバーのパッドであるため、汚れを吸着させる効果もあります。

これを行った後、より汚れに洗剤を反応させるために少し時間を置きます。

リンサーバキュームによる濯ぎ洗浄

カーペットクリーニングのメインイベントとも言える、リンサーによる濯ぎ洗浄です。

吸い込み口の手前に噴射口が付いており、リンス剤を希釈した洗浄剤を噴射しながら同時に汚水の回収を行います。

つまりシャンプー剤で浮き上がらせた汚れをリンスで濯ぎながら回収すると言うことです。

ちなみにシャンプー剤がアルカリ性を示すため、リンス剤は酸性の性質を持ちます。

これによりシャンプー剤は中和され、残留洗剤が残らず、また臭いの発生や絨毯の下地である基布の色が浮かび上がるのを防ぐなど、さまざまな効果をもたらします。

残留洗剤があると再汚染の原因となったりします。

ヤーンパッドで汚れを吸着させる

マイクロファイバー製のパッドをポリッシャーに取り付けて回します。

これによって残留した水分や汚れをパットに移して、更なる汚れの除去や乾燥を早める効果などもあります。

あまりやらない業者さんもいますが、結構重要な工程となります。

整毛ブラシでパイルを整える

最後に消臭剤を噴霧器で撒いてから、整毛ブラシでカーペットのパイルを整えます。

毛足の長いカーペットならより必要な作業で、毛足を揃えることで仕上がりの見た目もよくなります。

また、毛を立たせることで乾燥時間の短縮も狙えるので外せない工程となります。

作業完了後

以上がカーペットのウェットクリーニングの全工程となり、今回行った作業となります。

あまり濡らすことができないOAフロアでの施工方法であるドライクリーニングと違い、より多くの汚れの除去ができ、仕上がりが良くなります。

この記事の冒頭にある施工前の写真と比べてみると、かなりキレイに仕上がっています。

もちろんタバコの焦げ跡や家具によってパイルが潰れた跡は元通りにはなりませんが、予想以上にキレイになったことでお客様には満足していただきました。

店舗やオフィスは土足で歩く上、飲食店は食べ物や飲み物による汚れも多く出ます。

染色されてしまった汚れは落とすことができないため、定期的なクリーニングが理想とされます。

カーペット(絨毯)クリーニングの詳細