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お客様からのお問い合わせがあった際に通常の清掃には含まれないオプションメニューの説明をすると、
「剥離洗浄って何ですか?」
と聞かることが多いです。
剥離洗浄とはすでに床にかけられている古い既存のワックスを剥がす作業となります。
なぜ別料金となるのか?答えは簡単です。
大変だから・・・。
剥離剤や専用のパッド(スポンジ)などいろいろと材料費もかかります。
それ以上に、手間と時間がかかる作業で、ワックスの膜が予想以上に厚いと予定通りに作業が終わらないことも時々あります。
そんな剥離作業のやり方を今回は記事にしてみたいと思います。
ワックスを剥離する必要がある場合
- 何となく床が黒ずんできた気がする。
- ワックスを新しく塗ったのになぜかムラになる。
- 洗剤で床を拭いてもベタベタが落ちない。
こんなことでお悩みではありませんか?それ、もしかしたらワックスの劣化によるものかもしれません。
床が黒くなってきた場合は何枚もワックスを重ね塗りすることによって層が厚くなり、黒くなってきたものと思われます。
ワックスをきちんと塗ったのにムラになるケースでは、既存ワックスが剥がれている部分と残っている部分とがまばらになっており、光沢に差が出ている可能性があります。
床を拭いてもべたつく時は既存ワックスに汚れが染み込んでベタベタしているかもしれません。
こんなときは一度ワックスを剥がして床の状態をリセットする必要があります。
どうやって剥がすの?
フローリングの剥離洗浄の場合、Pタイルや長尺シートなどの化学床材よりも注意が必要です。
なぜならフローリングは木材ですし、継ぎ目がありますのでしみ込みやすい素材です。
水を多く使ってしまうと木が水分を過度に吸収してしまい、フローリングが反ってしまうなどの事故に繋がります。
ですので小さい範囲で少しずつ、水は少量で作業していく必要があります。
準備する道具は
- 中性タイプのフローリング用剥離剤
- ワックスを擦って落とすスポンジ
- タオル
- マスクや手袋などの保護具
となります。
剥離剤は粘度のある増粘タイプが便利です。継ぎ目などに染み込みにくく、作業中も安心です。
ワックスを削るためのスクレーパー(ヘラのようなもの)もあると便利です。また剥離後は何度も拭き掃除する必要があるのでタオルは多めに準備しておくと良いと思われます。
作業手順は次の通りです。
- 剥離剤を塗り広げる(希釈などは説明書の通りに行なう)。
- 5~10分ほど待つ。
- スポンジやスクレーパーを使ってワックスを取り除く。
- 3回以上拭き掃除してワックスのカスや剥離剤が残留しないようにする。
作業後はワックスがしっかり落ちているか確認しましょう。慣れないうちは1㎡ずつ作業するのがお勧めです。
ハウスクリーニング業者の剥離洗浄
今回作業に伺った現場は歩行動線といって、頻繁に歩くところだけワックスが剥がれており、獣道のようになっていました。
事前に現地見積もりに行っていたので、その時点でお客様に剥離して床の状態をリセットすることをご提案。了承していただきました。
当店では状況にもよりますが、床用洗浄機(ポリッシャー)を使って作業を行います。使用する剥離剤は粘度のある中性タイプです。
今回は「サクラ増粘リムーバー」という剥離剤を使いました。洗浄用フロアパッドは比較的簡単にワックスを除去できそうだったので「グリーン」を使用。
事前にテスト施工を行い、ワックスがしっかり剥がれることとフローリングに傷が付いていないことを確認。そのうえでの作業です。
https://youtu.be/LJez-Y_U38k
ワックスは1枚では光沢が微妙でしたので2枚掛けで対応しました。
おわりに
ワックスはどれくらいの間隔で剥がした方がよいのか?
と聞かれることがあります。3回に1回は剥離洗浄してワックスをリコートした方が良いのではないかと思います。
特にフローリングの場合は床材の特徴から強アルカリ性の洗浄力の強い剥離剤は使用できないため、過度にワックス膜が厚くなってしまうと剥がすことが難しくなります。
剥離洗浄の依頼は別料金となり、その作業の手間暇から安くない清掃料金となってしまうかもしれません。しかし定期的にワックスを剥がしてリコートした方が床材の寿命を延ばすことにもつながります。
参考になれば幸いです。