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「浴槽についた染みを落としてほしい」
というお問い合わせが当店に時々あるのですが、現在では浴槽染み抜きは施工しておりません。
そこで2017年2月に、ご自分でも浴槽の染み抜き作業ができるようにお風呂の浴槽の染みの落とし方を記事にしました。
その記事では、湯船に入れた入浴剤によって付いた茶色い染みを専用洗剤で落とす方法を、実際に当店で施工した浴槽の写真を入れて説明・紹介しました。
当ホームページのブログ記事をグーグルアナリティクスでアクセス解析すると、比較的よく見られているようです。
そこで今回は入浴剤による染みではなく、別の原因による浴槽の染みの落とし方を記事にしたいと思います。
浴槽の緑青のシミの正体
写真では若干わかりづらいですが、浴槽底面にうっすらと青いシミが広がっているのがわかりますでしょうか?これは以前に当店で染み抜き施工した浴槽となります。
いろいろな物件でお掃除をしていると、珍しいケースではあるのですが時々見かけます。
この汚れの正体は追い焚きの配管から銅の成分が流れ出て、それが酸化することによって青くなり染みになるそうです。
なぜこんな現象が起こるのか?よくあるケースは2つです。
- 物件が新築である場合、排水管の金属もまだ新しいので酸化被膜という膜が形成されていないので、銅の成分が外に流れやすくなっている。
- 古いのに青くなるという場合は、地域の水が酸性に近く、被膜の形成を阻害している可能性がある。
酸化皮膜とは
不動態(ふどうたい、不働態とも)とは、金属表面に腐食作用に抵抗する酸化被膜が生じた状態のこと。この被膜は溶液や酸にさらされても溶け去ることが無いため、内部の金属を腐食から保護するために用いられる。
身体の健康に悪影響ないの?
結論を言うと「人体には無害」です。
昔は有害説もあったようですがこれと言った根拠はなく、東京大学が長期にわたって動物実験を繰り返した結果、無害であると証明されたそうです。
ですので緑青のシミが浴槽についているからといって、お風呂が使えないというわけではありません。
どうやって落とすの?
ネットで調べてみると、バスタブの青い染みの対処法についてけっこうな数の記事が検索結果に出てきます。
- クエン酸水を使う。
- アンモニア水を使う。
上記の二つは有名な除去方法で、浴槽を傷つけない柔らかいスポンジに適量取って擦るというものです。
この方法で落ちたという声は多く、実際当店でも同じ方法で除去した経験はあります。
しかし、上の写真に写っている緑青の染みはどちらも効果がまったくありませんでした。
そこで使ったのが入浴剤の染み抜きでも使用したお掃除ソムリエさんの浴槽染み抜き剤です。
お掃除ソムリエ 浴槽染み 2・3回用 500mL A液B液のセット、湿布用洗剤 FRP・ホーロー・人工大理石用
使用方法は下記の通りとなります。
- 浴槽を洗う。
- シミに専用染み抜き剤を刷毛などで塗る。
- 上からキッチンペーパーを被せて、更に上から洗剤を塗る。
- ラップなどで蓋をして5、6時間置く。
ここまでは入浴剤の時と同じ作業手順です。違うのはここから。
青かった底面が赤茶色に変色しました。
これは染み抜き剤の還元作用(物質の酸素を取り除く作用)が働いた証拠で、染み抜き剤が効いているということです。
ここで同社の酸性洗剤(尿石除去用合成洗剤)を使用します。
スポンジに適量取って茶色に変色した部分を擦って中和させます。
シミが取り切れない場合は2~3を繰り返したあとに酸性洗剤で中和します。ちなみにこの浴槽の染みを抜くまで3回作業を繰り返しました。
染み抜き2回目
染み抜き3回目
ようやく落とせました。手間と時間が非常にかかる作業となりますので根気が必要です。
おわりに
前回も今回もFRPという強化プラスチック素材で構成されたバスタブの染み抜きについて紹介しました。
これがステンレスやホーローの場合は使用できません。
また、劣化が激しい浴槽の汚れの場合は染みというより変色の可能性もあり、そのようなケースでは浴槽の交換や塗装などを検討した方が確実の場合もあります。
染み抜きは確実性のある清掃方法では決してありません。
参考になれば幸いです。