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埼玉県さいたま市浦和区にお住いの方から当店に問い合わせがありました。

内容は玄関の床の大理石を綺麗にしたいとのこと。

どのような症状か聞いてみると黄色いような茶色いようなシミのような汚れが全体的に浮き出ており、雑巾で拭いても取れないそうです。

数枚写真をメールで送っていただき見てみましたが、確かにシミのような跡でした。

実際に伺って施工することに。

掃除機、拭き掃除

大理石のシミ

上の写真が今回の清掃対象となる玄関の大理石です。

少し分かりづらいかもしれませんが、全体的にモヤモヤと黄色い汚れが浮き出ています。

まずは掃除機で埃や土砂などのゴミを除去。

その上でまずは水拭き。効果なし。

次に石材用アルカリ洗浄剤で拭き掃除。これも反応はありませんでした。

これで表面についた汚れではないことが明確になりましたので、シミ抜き施工に入っていきます。

大理石の特徴

他の記事でも何度か書いていますが、大理石を含む天然石は細孔やポーラスと呼ばれる細かい空洞が内部に存在しています。

つまり多孔質であるために吸水性が高い素材となるのです。

吸水性が高いということは付着した水分や汚れが内部に浸透してしまうため、それがシミとして内部に残り取れない汚れとなります。

吸水性がほぼ0である化学素材と違って、天然石や無垢の木材などはメンテナンスに費用や手間がかかると言われる所以はここにあるのです。

シミ抜きの方法

水溶性のシミの場合、過酸化水素が配合されたシミ抜き剤を使用します。

まずはドライヤーで素材を温め、助剤を配合したシミ抜き剤を刷毛で石に塗っていきます。

次にその上からキッチンペーパーを被せてさらに洗剤を塗ります。

そして養生用のマスカーテープやラップで上から養生して乾かないように保護。

この状態で1時間放置します。

通常はこの作業を2〜3回繰り返すのです。

反応なし。原因は

取れる場合は1回の作業でかなりの反応があり、残ったシミを次、さらにその次の作業で徐々に抜いていくのですが、今回は1回目から全く反応がありませんでした。

ということは継続してもほとんど効果がないと思われるということです。

それでは一体原因はなんだったのでしょうか。

結論から言うと原因は石材を床にくっつけている特殊なボンド剤が毛細管現象で表面に移行したという可能性が高いです。

大理石を床に配置する前に、石の裏側から内部を保護する浸透性コーティングを施工していなかったのが、この結果を招いたのではと思われますが今となっては確かめようがありません。

除去は不可能なのかと言われると絶対取れないわけではありません。
上記のシミ抜き法を根気よく何十時間も繰り返し行えば取れる可能性もあります。

しかし石材の裏側にそもそもの原因があるため、もし綺麗にシミが抜けたとしても再発する恐れがあります。

非常に残念ではありますが、このようなケースでは諦めるという選択も必要かもしれません。