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ハウスクリーニングで使用する洗剤には様々な商品があります。

リンレイさんやシーバイエスさん、横浜油脂工業さん、ミヤキさんなどメーカーもたくさんあります。

しかし基本的には酸性・中性・アルカリ性にわかれ、素材や汚れに適した洗剤を選択して使用することになるのです。

そこで今回はそれぞれの洗剤の用途や特徴、注意点を簡単に解説したいと思います。

アルカリ性洗剤

重曹や炭酸ソーダ、アルカリ電解水などで知られるアルカリ性洗浄剤です。

反対の性質を示す酸性の汚れを中和、分解するのに適しています。

またアミノ酸の結合を切ったり緩めたりする作用もあり、アミノ酸の結合体であるタンパク質を分解するのにも優れた効果を発揮します。

酸性を示す汚れというのは具体的には皮脂、キッチンの油、五徳やグリルの焦げ、手垢、タバコのヤニ汚れ、湯垢などなど。

つまり油汚れ全般が酸性の性質を持つも汚れとなるのです。

アルカリ性洗剤の水素イオンの濃度を示すph値(ペーハー)では8〜14までを示し、数値が高くなるにつれて強力となります。

最大値であるph14の代表的なのが水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)です。

ph値が高い、あるいは強アルカリ性と呼ばれる洗剤の使用には十分注意しましょう。

なお、使用するにあたって特に注意が必要な素材についても解説したいと思います。

まずアルミ製品。軽金属であるアルミは酸はもちろんアルカリに対しても耐性がないので、強アルカリの液剤などにつけると腐食して黒くなってしまいます。仮に使用する場合でも手早く洗浄するなどしなければなりません。

次に白木や大理石などの天然素材。弱アルカリ性洗剤なら大丈夫という場合もありますが、基本的には専用の洗剤を使うことがオススメされます。

3つ目にカーペットやソファなどの繊維製品。こちらも大理石などと同様、専用の洗剤を使用することがオススメされます。

4つ目に塗装面。強アルカリの場合、塗装を剥がしてしまう恐れがありますので注意しましょう。

最後に床です。これも強アルカリ性洗剤の場合、既存のワックスやコーティング剤を剥がしてしまう恐れがありますので強いアルカリ洗剤を床に使用することは避けましょう。

不安がある場合は作業する前に目立たないところでテストしてみることが推奨されます。

また余談となりますが、カビに有効な次亜塩素酸ナトリウムが配合された洗剤もアルカリ性となります。理由は次亜塩素酸がアルカリ水溶液でなければ安定しないからです。

酸性洗剤

アルカリ性の性質を持つ汚れを分解、中和する性質を持つ洗剤となります。

つまり先ほどのアルカリ性洗剤とは逆の性質を持つということになりますね。

一番有名なのはテレビなどで度々取り上げられるクエン酸ではないでしょうか。

アルカリ性の性質を持つ無機質な汚れは代表的なので水垢、尿石、金属のサビ、石鹸カスなどとなります。

酸性洗剤のph値は1〜6となり、アルカリ性のph値とは逆に数値が低いほど強力となります。

最大値であるph値1の代表は塩酸です。

また一言で酸性と言っても塩酸、リン酸、クエン酸、酢酸、硝酸、フッ酸など様々あり、用途も違ってくるのです。

例えばリン酸、クエン酸が主成分の酸性洗剤は比較的安全性に優れた商品が多く、腐食を促してしまうステンレスなどの金属製品にも遠慮することなく使えることが多いです。

塩酸の製品は有名なのでサンポールなどがありますが、トイレの尿石用洗剤として知られ強力です。決められた用途以外には使わない方が無難となります。

酢酸はカーペット洗浄におけるセルロースブラウニング現象と呼ばれるトラブルを解決するのに役立ちます。

硝酸も有機酸として特定のシミ抜き作業の中和に使われたりします。

そしてフッ酸ですが、これは主に水垢除去および土砂汚れに対して使われることが多い洗剤です。

水垢は主に炭酸カルシウムとケイ酸と呼ばれる物質で構成されています。
炭酸カルシウムの場合はクエン酸なども有効ですが、ケイ酸はフッ酸でなければ効きません。
このように水垢に強力に作用するのはフッ酸となります。

しかしフッ酸はガラス材質のものを痛める性質を持っていますので窓ガラスや鏡はもちろん、衛生陶器の表面の釉薬にも多大なダメージを与える恐れがあるので使用を控えた方が無難です。

中性洗剤

中性洗剤はph値で6〜8の数値を示す洗剤となりますが、厳密に言えば中性とはph7,0のみです。

ですからph7未満となると酸性ということになり、ph7を超えた数値となるとアルカリ性ということになります。

ただドラッグストアやホームセンターで販売されている住宅用中性洗剤はほとんどがアルカリ性を示しているはずです。

なぜなら住宅の汚れのほとんどが動植物系の油汚れ、つまり酸性の汚れとなるためです。

マルチクリーナーや万能洗剤のような名称で売られている商品はほとんどが中性洗剤になると思います。

油の焦げ付きや硬い水垢など過度な汚れには歯が立ちませんがドアやスイッチに付着した手垢など軽度な汚れに対しては十分であり、場所を問わずに使用することが可能な使い勝手の良い洗剤です。

良く言えば優しい、悪く言えば弱い洗剤となるのです。

まとめ

以上が洗剤の簡単な分類となります。

大きく分けてアルカリ性と酸性に分かれますが、同じ性質の洗剤でも構成する成分によって使用目的が変わってくるので注意しましょう。

またアルカリと酸は水回りなど手強い汚れが付着しているところでだけ使用し、他の軽度な汚れは全て中性洗剤で掃除するのがベターな方法となります。

参考になれば幸いです。