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前回は役割やかけ方、乾燥時間などのワックスについての特徴を記事にしました。
今回はデメリットというか注意点を中心に書いていきたいと思います。
ワックスの注意点
床をピカピカに仕上げて、見た目の印象を良くしてくれる優秀なワックスです。
更に床表面に保護膜を形成し、歩行や生活でのダメージから床を守ってくれます。
しかし当然良いことばかりではありません。
床を保護するということは床素材の代わりにダメージを負うということです。
保護膜表面は段々とくすんできて光沢も失われていきます。
その結果、ワックスを再塗布する必要が出てきます。
リコート(再塗布)の必要性
賃貸物件であれば退去後の原状回復時に最終仕上げであるハウスクリーニングを入れます。
その際にフローリングやクッションフロアにワックスを塗ります。
住宅内であれば土足で歩くことはないため、頻繁にワックスを塗る必要はないので、退去後のお掃除の際にかける程度で良いと思います。
事務所や店舗であれば土足で歩き回ることになるので、ワックスの摩耗も住宅よりも激しくなってしまいます。
ですのでリコートが必要になります。
状況にもよりますが、3か月に一度ワックスを塗るというのが多いです。
剥離洗浄の必要性
何度もワックスを塗り重ねていくと、ワックス表面が黒くなってきます。
ワックス層が厚くなって起こる現象です。
そうなると当然見た目も悪くなりますので、一度ワックスを剥がして床の状態をリセットする必要が出てきます。
既存のワックスを剥がす作業を剥離洗浄と言います。
下の写真は以前当店で美容室の床清掃に入った時の画像です。
10年近く剥離を行っていなかったので、床は黒ずんでしまっています。
専用の剥離剤を使用して床洗浄機(ポリッシャー)でワックスを剥がしていきます。
剥がした後、ワックスを2度塗りして仕上げました。
この美容室は極端な例となりますがほとんどは1年に1度、剥離洗浄をお勧めします。
店舗・事務所については、定期清掃などでよくある例としては、3か月に1度のワックスリコート、1年に1度の剥離洗浄というのが良いサイクルです。
ワックスフリー床の存在
フローリングで多いのですが、最近ではワックスフリーやノンワックス、ワックスレスと言われ、そもそもワックスを塗布する必要が無い床材が出回っています。
EB加工と呼ばれ、床表面に撥水効果などが施されているフローリングなどです。
このような床材はワックスとの相性が悪いです。
密着が悪く、時間が経つと塗ったワックスがぽろぽろ剥がれてきたりします。
そもそも床表面を保護するような設計になっていますし、密着も悪いので基本的にワックスは必要ないとされています。
まとめ
ワックスの注意点のまとめは下記の通りとなります。
- 再塗布(リコート)が必要。
- 定期的に剥離洗浄を実施。
- ノンワックス床には必要ない。
再塗布や剥離洗浄はそのたびに清掃会社を入れる必要があるので、費用が掛かります。
店舗や事務所などは土足で歩くのである程度仕方ないですが、住宅は履いてもスリッパくらいなので歩行によるダメージはあまり心配ありません。
頻度で言えば住宅はリコートと剥離は頻繁にやる必要はないですが、それでも3~4回リコートしたら1度は剥離するべきでしょう。
このような出費を嫌って最初からワックスはかけない、あるいはノンワックスフローリングを選ぶという大家さん、オーナー様もいらっしゃいます。
床材をリフォームする際は、このようなワックスのメンテナンスについての特徴も参考にしていただければと思います。