年末となり大掃除の季節となりました。

大掃除と言えばハウスクリーニング。ほとんどが換気扇、キッチン、お風呂、洗面所、トイレなどの水回りや窓・サッシ清掃の注文が多いですが、今回の依頼は少し違います。

大理石の掃除です。

テーブルの天板として使用されている大理石のプレートで、お問い合わせをいただいた時は染みができたので除去してほしいとのことでした。

ハウスクリーニング業者があまりやっていない石の洗浄。

今回はそれを記事にしてみました。

大理石のメンテナンス

天然石材のメンテナンス・洗浄は清掃会社もやりたがらないことが多いです。

その理由は難しいから。

石材には内部に細孔(ポーラス)と呼ばれる細かい空洞がたくさん存在します。その為、吸水性の高い建築素材となります。

ワインなど色の付いた液体をこぼしたまま放置すると内部に浸透してシミとなり、簡単に除去できなくなるということです。

また大理石は特に洗剤に弱いという特徴があります。

更に天然石は高級建築素材です。万が一の際の保証も大変です。

このような理由から清掃業界でもあまり手を出したくない仕事、と認識されているようです。

しかしながら、汚れや状況の確認、水打ち、適切な洗剤の使用、洗浄、中和作業、汚水回収、仕上げ拭きと適格な清掃手順を踏めば問題ありません。

ただし、対応が難しいケースもございます。

洗浄結果の予測が難しい石材

洗浄結果の予測が難しいケース。それは黒や紺などの色の濃い石の場合です。

不景気と言われて久しい昨今ですが、その波は建物の建築素材にまで影響を及ぼしています。

マンションの玄関床にはよく大理石が敷き詰められているのが見られますが、バブル期に建てられた建物でない場合、中国産の石を使っているケースが多いです。

和室に使われる畳もそうなのですが、中国産のこれらの物はあらかじめ素材に着色されて工場から出荷されます。

つまり、石材に対して適切なメンテナンス方法をとっても色落ちして洗浄後の風合いが変わるケースがあるということです。

このように、色の濃い石を洗浄する際はその可能性をはじめにご説明させていただいております。

大理石表面は酸に弱い

話しを今回の依頼に戻します。

最初は染み抜きを頼まれましたが、詳しく話を聞くと染みではないようでした。

子供が大理石テーブルにレモン汁をこぼしてしまったのですが、拭き取るまでに2分ほど間が空いてしまったとのこと。

レモン汁がこぼれたところだけぽっかりと染みのようになってしまったそうです。ただし色が付いたわけではない模様。

その話を聞いて、汁をこぼした部分にシミが付いたのではなく光沢がなくなってしまったと確信しました。

大理石表面が細かく磨かれてピカピカになっているわけですが、その上にレモン汁、つまりクエン酸が付いたことにより表面の肌が荒れ、付着した部分だけ光沢が失われたのです。

この場合、施工方法は染み抜き作業ではなく再研磨となります。

再研磨

再研磨とは文字通り磨いて光沢を復活させることです。

理屈としては簡単で、クエン酸によって肌表面が荒れてしまったのであれば、荒れた部分を磨いて元に戻そうということになります。

専用のダイヤモンドパッドを装着したハンドポリッシャーで磨いていきます。

研磨工程

上の図のように目の粗いものから細かいものにパッドを交換していき、繰り返し磨きます。

なお今回は石の肌表面が少し荒れた程度なので、図にあるような#300の番手ではなくもっと上の目の細かいパッドで磨きます。

施工前

施工後

わかりづらくて申し訳ございません。施工前の光沢が失われた部分には印を付けました。

2工程で光沢が元に戻ってくれました。まわりとの違和感も特になく、問題ない仕上がりです。

石材洗浄・研磨の詳細