賃貸物件の退去時や分譲マンション、一戸建ての売却時の原状回復で悩むのはハウスクリーニングよりもリフォームだと思います。

リフォームでよく施工されるのは壁紙(ビニールクロス)の張り替えです。

タバコのヤニ、キッチンの油汚れ、子供の落書き、画鋲の穴、傷、日焼けなどなど、必ず目に付く汚れなのでキレイにしたいはずです。

しかし壁面クロスの張り替えを業者に依頼すると、掛かる費用はハウスクリーニングとは比較になりません。

できるだけ清掃で済ませたいのは当然です。

ではハウスクリーニングで壁紙はキレイになるのか?

ビニールクロス(壁紙)をキレイにする

壁紙をキレイにするには主に4通りの方法があります。

  • クロス屋さんによる張り替え。
  • 吹付塗装による壁紙塗装。
  • リペア業者による部分補修。
  • ハウスクリーニング業者による洗浄。

壁紙の状況やオーナー様のご予算により、上記の中から選択できます。

クロス屋さんによる壁紙の張り替え

古い壁紙を剥がし、ベニヤ下地に必要なパテ処理を施し、機械で糊付けしたビニールクロスをヘラ、ローラー、刷毛など専用の道具を使って丁寧に張っていきます。

先にデメリットをお話しすると主に2つ。費用と施工に時間がかかるということです。

当然ながら他の方法と比べてダントツでお金がかかります。

施工費は平米単価、量産タイプのクロスで900円前後、高級なクロスで1000円以上というのが相場でしょうか。それに加え、下地処理費や養生費、廃材の処理費、職人さんの車のコインパーキング代が発生します。

ワンルームの賃貸アパートの壁紙全体を100㎡だとすると、およそ10万円前後の費用が発生します。

また、張り替える面積が広いと工事完了までにそれなりの日数も必要とします。

とは言っても、壁紙をキレイにするという意味ではベストの方法となります(新品に張り替えるわけですから当たり前ですが)。

壁紙塗装

既存の壁紙の上から吹付塗装をしてキレイに見せるという施工方法です。

費用は張り替えと比べると半分から3分の2くらいで、施工時間もワンルーム程度の広さなら数時間で済みます。更にゴミ・廃材も出にくい。また、白色だけでなく様々な色を選べるようです。

一見すると安価で頼みやすいように見えますが、様々なデメリットも存在します。

  • 塗膜が厚い場合、ビニールクロスの凹凸が見えにくくなる。
  • 塗装独特の臭いが発生する。
  • 施工可能なのはビニールクロスのみ。
  • 破損が激しい壁紙や柄物は施工できない。
  • 時間が経ってから触るとポロポロ塗装が落ちる。
  • 水拭き、洗剤拭きすると色落ちする。
  • 張り替えの際に剥がれにくくなる。

最近では壁紙の上から塗装するというより、染色液をクロスに染み込ませてキレイに見せるという施工方法があり、そちらでは臭いや塗装面がポロポロ落ちるという部分は改善されているようです。

リペア(補修)

壁に穴が開いている、傷が目立つなどの場合、全体を張り替えずにその部分だけ補修でキレイに修復する作業のことです。

該当するところだけカッターで切れ目を入れて剥がします。下地の破損部分をパテ処理して、上から周囲と同じクロスを張り付けて完了です。

また、キッチン近くの壁紙に油汚れが点々と付着しているなどの場合、クロス用の塗装を点のような汚れの上に塗ってしまえば見えなくなります。ホワイト、オフホワイト、アイボリーなど色も豊富です。

ここだけ気になる、物をぶつけて穴を開けてしまったなどの場合、上記の作業で修復が可能です。

費用は業者に頼むと、状況にもよりますが2万円から3万円と結構かかります。

しかしある程度であれば自分で対応可能です。道具はホームセンターで仕入れられるもので充分です。

施工方法なども商品の説明欄に記載されてありますので、その通りに施工すれば結構キレイになると思います。

壁紙洗浄(ハウスクリーニング)

ハウスクリーニングなどの清掃業者によるビニールクロス洗浄です。

最初に必要に応じて養生を施します。次に掃除機やハタキを使って除塵作業。

それから過酸化水素が配合された壁紙専用の洗浄剤をローラーなどを使用してクロス全体を塗っていきます。

最後に乾いたタオルで乾拭きして完了です。

費用は平米単価400円前後。他の施工方法に比べれば安価です。

では肝心の効果のほどは。

タバコのヤニ汚れなどは結構落ちます。

しかし、何かでひっかいた跡の黒ずみや落書きなどは薄くはなっても完全には落ちない汚れもあります。

特に張ってから長年経過した壁紙の場合、キレイになる部分とならない部分が出てくる場合があり、必ずしも満足いく結果にならないケースがあると思われます。

まとめ

当然ですが、壁紙(ビニールクロス)については張り替えるのがベストです。

とは言え、お部屋の壁や天井全て張り替えるというのはあまりに予算がかさみます。

壁紙自体があまりに汚れている、かなり古くて劣化が激しいなどの場合は壁・天井全面張り替えというのも致し方ないと思います。

しかし、過度の汚れがキッチンスペースのみの場合などは部分張り替えをお願いするという方法もあります。これなら費用も抑えられます。

また部分的に汚れが少し目立つという場合にはハウスクリーニング、一か所だけ傷や穴があるという場合には塗装やリペアでもキレイになるケースがあります。

従って、壁紙の劣化状況や予算の都合を考え、それぞれの施工方法を効率よく使うのが一番良い原状回復の方法ではないかと思います。