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最近の塩ビ床材はラミネート加工の進化やノーワックスの普及に伴い、清掃するにあたっての問題が多い傾向にあります。
当店は店舗よりも住宅の方が清掃依頼が多いのでフローリングやクッションフロア(CF)あるいは石材床が多いですが、お掃除業者である以上は他床材のフロアメンテナンスの最新情報も欠かせません。
そこで、4/14(金)のことですが、IICRC主催の床材や洗浄パットの研修に参加してきました。
最新パットによる床材のメンテナンス方法
床材は大きく分けて単層と複層、シートとタイルに分かれます。
複層はその名の通り、いくつかの素材が重なって一つの素材となっているものです。
一番上に表面塩ビ透明層があり、その次に柄や模様となる印刷層、その下に塩ビ発泡層などがあります。
住宅の内装によく使われているクッションフロアや、マンション共用部など幅広く使われている長尺シートがこれに該当します。
単層はビニル樹脂や天然素材から成る素材一つで構成されたものです。
一般的なPタイルの中のコンポジションタイル、リノリウムなどが該当します。
単層なので表面の模様を削っても同じ模様が出てくる為、研磨で光沢を上げることが可能となります。
ただし、複層シート・タイルのように柄がプリントされた印刷物ではない為、デザイン性が乏しいのが短所です。
コンポジションタイル
コンポジションタイルとはJIS分類でビニル樹脂を主成分とするバインダー含有率が30%未満のものを言うそうです。
学校やホームセンター、スーパーマーケットなどに多く見られます(ホームセンターやスーパーはセラミックタイルに代わりつつあるようですが)。
こちらをダイヤモンドパットで研磨する検証を行いました。
茶パットで表面の洗浄を行ったあとの光沢の数値です。2しかありません。
ダイヤパットを装着したポリッシャーで磨いていきます。実際にポリッシャーに触らせていただき、2工程、施工しました。
光沢が61まで回復しました。
これは洗剤の類は一切使わず、水とパットのみの洗浄です。
環境にも優しく、研磨により光沢を上げておりますので過度にワックスを複数枚塗る必要がありません。
剥離の周期を少なくすることが可能です。従って、年間を通してのコスト削減にもなります。
リノリウム
私が今回の研修に参加した最大の理由がこのリノリウム床です。
リノリウムは既存ワックスを剥がす剥離洗浄をする際にアルカリ性剥離剤を使用すると、素材に内在する油の成分が溶けて黄変を起こします。ですのでpH値が中性を示す剥離剤を使用することが清掃業界の常識となっております。
しかし、中性の剥離剤を使っても変色することがあります。当店の施工でも過去に一度だけありました。
講師の方に聞いても、過去に同じ経験をしたことがあったようです。
そこで剥離はせず研磨により光沢を上げるという、上記のコンポジションタイルと同じ施工方法が一番安全で適切となります。
新品のリノリウム床をダイヤパット装着のポリッシャーで磨いていきます。
光沢が41まで上がりました。
この方法ではワックスを塗布しなくても光沢を出し、美観を整えることが出来ます。
最近のワックスがいくら国の指定する基準を満たし、シックハウスなどに配慮されているとはいえ、使用しない方が衛生的と言えます。
リノリウムは病院等で使用されていることが多いので、研磨施工は最適なメンテナンスプランとなります。
今回の研修は今までの業界の常識を覆すような施工方法ばかりでした。しかし、エコという時代に沿ったやり方でかつ安全ですので、今後当店ではこの方法を取り入れていく所存です。