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優秀な機材や道具を使っても、洗剤を的確に使いこなせなければ汚れを落とすことは出来ません。

洗剤の基礎的な知識はハウスクリーニングを提供する業者には最低限必要となります。

そこで今回の記事ではアルカリや酸、中性洗剤をはじめとした洗剤の使い方・選び方をご紹介したいと思います。

  • 界面活性剤について
  • pHの基礎知識
  • 洗剤と汚れの相性
  • 汚れの性質
  • 洗浄理論

この記事を読むことによって、日々のお掃除が少し楽になるかもしれません。

洗剤の使い方・選び方。アルカリ性、酸性、中性

汚れが落ちない、落ちるけど時間がかかる、必要以上に硬いもので擦って傷が入ってしまった・・・。

このような場合、洗剤が汚れに反応していないことが多いです。

なぜなら、汚れの種類に洗剤が合っていないからとなります。

またプロが使用する洗剤は業務用ですので強力です。

誤った使い方をした場合、素材の変色や腐食、使用者にも害となるなど様々な事故の原因となります。

従って汚れに対する洗剤の選定というだけでなく、安全性や環境へ配慮する必要があります。

ですから、ハウスクリーニングのプロとして洗剤の知識が必要となるわけです。

界面活性剤

よく耳にする界面活性剤。多くの場合これは洗剤の主成分となります。

サビ防止や除菌効果もありますが、主な役割は水溶液の表面張力を下げることです。張力を取り払うことにより汚れと洗剤を結びつきを良くし、除去できるようになるのです。

界面活性剤

具体的に言いますと、上の写真は界面活性剤の図となりますが親油基、親水基とあります。

親油基が汚れとくっつき、水中に分散・吸着させます。これを「乳化」と呼びます。言葉を変えると「中和」するということです。

界面活性剤は陰イオン活性剤(アニオン)、非イオン(ノニオン)、陽イオン活性剤(カチオン)と3種類あります。

両面活性剤というのもあるのですが、主剤ではないことが多い為割愛します。

聞きなれない言葉が多いと思いますので別の言い方で表現します。

陰イオン → マイナスイオン → アルカリ性

非イオン → マイナスでもプラスでもない → 中性

陽イオン → プラスイオン → 酸性

「界面活性剤」は洗剤の主成分ですので、酸性・中性・アルカリ性とは水溶液(洗剤)の性質を表しているということです。

pHの知識

洗剤の性質や強弱を判断するのに使用される計測法にpH値というのがあります。

ペーハーあるいはピーエッチと呼ばれ、水素イオンの濃度を表します。

  • 酸性洗剤が0~6(0~3未満が強酸、3~6未満が弱酸)
  • 中性洗剤が6~8
  • アルカリ性が8~14(8~11未満が弱アルカリ、11~14が強アルカリ)

酸性は数値が小さいほうが強力、逆にアルカリは数値が高い方が強力となります。

また、pH値が1目盛り離れると濃度は10倍違います。

また、中性についてですが、厳密には7のみとなります。もので言うと「純水」ということです。

洗剤の性質を表す場合は上記のように6~8となっていますが、正確には7未満は酸性ですし、7を超えた数値はアルカリ性です。

pHについては洗剤の液性がわかるだけでなく、強力な洗剤か否かも判断できます。

洗剤と汚れの相性

対象となる汚れの性質についてですが、大きく分けて3つ。有機系汚れ、無機系汚れ、カビ汚れです。

カビについては次亜塩素酸ソーダや次亜塩素酸ナトリウムと呼ばれる成分が含まれたカビ取り剤で除去できます。

ちなみにソーダは英語でナトリウムはドイツ語と言葉が違うだけで同じ物質です。

無機質汚れ、これは主に水垢(スケール)や尿石です。性質はアルカリ性となります。

有機系汚れは油汚れですね。こちらは酸性です。

この性質を考えて使用する洗剤を選定します。簡単に言いますと次の通りです。

酸性の汚れ → アルカリ性(pH7を超えたもの)の洗剤

アルカリ性の汚れ → 酸性(pH7未満)の洗剤

つまり中和させて汚れを除去するということです。

汚れの性質

では酸性・アルカリ性の汚れはそれぞれどんなものが該当するのか?

簡単に表にまとめてみました。

酸性 キッチンの油汚れ、五徳やグリルの焦げ付き、浴室の皮脂汚れ、窓やドアの手垢、煙草のヤニ汚れ
アルカリ性 水垢(スケール)、尿石、金属によるサビ、
石鹸カス(物によります)

洗浄理論

では実際の洗浄理論です。

洗剤は汚れに吹きかけてから、乳化(中和)して浮き上がらせる効果的要素があります。それは…

洗剤・時間・力(攪拌)・温度

の4つです。

  1. 温度:洗剤は使用する際の温度が44℃から10℃ずつ上がると効果が倍々となる。
  2. 力(攪拌):物理的力により、浸透させる、汚れを浮き上がらせるなどの効果がある。
  3. 洗剤:酸性なのかアルカリ性なのかの他、きちんと濃度を計量し、適切な化学薬品を使用する。
  4. 時間:汚れを引きはがし浮き上がらせる為に、15~30分は汚れへの接触時間が必要となる。ただし、塗布した洗剤が乾かないよう、注意する。

以上のことをしっかり応用して、洗剤の効果は100パーセント発揮されます。

まとめ

  • 洗剤の主成分である界面活性剤にはマイナスイオン(アルカリ性)、非イオン(中性)、プラスイオン(酸性)の3種類ある。
  • 洗剤の濃度、性質を判別するのにpH値がある。0~6(酸性)、6~8(中性)、8~14(アルカリ性)。
  • 汚れの性質を見極める。油汚れ(酸性)、水垢・尿石(アルカリ性)
  • 汚れは中和させて除去する。酸性汚れ → アルカリ性洗剤。
  • 洗剤・時間・力(攪拌)・温度の理論を遵守し、洗剤の効果を100%発揮させる。